山に入る
まずは下見をしつつ登山道の 
低木を切り、下草を刈った。
弱くてゆっくり育つもの 
たくましくどんどん育つもの。
いろんな特徴があることに気づく。
どれを切り、どれを残すか、
山はどういう風に姿を変えていくのか。
想像しながら作業を進めた。
斜面 35°
学園の裏山全体を羊たちの放牧場とするため、
新しく
囲いのフェンスを張った。
フェンスを張る経路に沿ってまずは下草を刈るのだが、
茂みに蜂の巣が潜んでいることも度々あった。
鉄のアングルを大ハンマーで打ち込み、
アングルに沿ってフェンスを張り、
番線で固定をする。
簡単そうなこの作業も学園裏山の急斜面では、
道具や資材の重み、足もとの悪さのために 
バランスを保つことだけでも大変なことだった。
営み
園生が生業のひとつとしている椎茸栽培。
その原木運び作業に参加した。
山の斜面にはコナラの原木が 
びっしりと並び、その量に圧倒される。
約70000本。
腕にずしりとくるこの原木を 
一列になって一本一本手で運ぶ。

水平
学園から天の舞台まで 
道具や資材をかついで登った。
山ではこの作業が避けられない。
周辺の杉や桧の木を間伐して 
残した立ち木の枝を払った。
整林することで一気に景色が開け、
正面の山々やふもとの集落が見渡せる。
天の舞台のとなりに扇形のデッキ、
この二つのデッキから斜面を 
少し下りた木陰に屋根つきデッキ。
計三つのデッキ集落が出来上がった。
水・階段
デッキのすぐそばに
湧き水で常にぬかるんでいる場所がある。
このぬかるみを解消するため、
湧き水を集めて水場の水源とした。
登山者が手を洗ったり口をゆすいだり
できるような水場ができた。
水場周囲には石を敷き詰め、
滑りやすかった道が歩きやすくなった。
学園での生活
食事のメニューは園生と同じ。
学園で採れた椎茸や卵がとてもおいしい。
夕食後、園生たちが就寝するまでの間
大きなテーブルを囲んで
一緒に時を過ごした。
参加者の大半にとって、
知的障害者の人たちと生活を
共にするのは初めての経験だった。
土地をよむ
山の神に登る。
地形図の等高線と方位をたよりに歩くが
想定している通りにはなかなか歩けない。
尾根伝いにおりてくると、
いつの間にか水場のすぐ横に出てきた。
そうしてようやく自分たちの
通ってきた道を理解した。
尾根の北と南とでは
山の雰囲気がまるきり違った。
間伐材の余りを使って階段を作った。
この先の右手に三つのデッキがあり、
手前に水場がある。
予定にはなかった作業であったが、
思いのほかスムーズに作ることができた。

デッキ周辺の環境は更に整っが、
どこまで人の手を入れてよいものか、
自問しながらの作業だった。
寝床は雨がしのげる屋上テラス。
一日体を使ったあとは 
本当によく眠ることができた。
朝は園生たちの日課、
雑巾掛けのかけ声に
目を覚ます。